この星のすべてに
自らの心を見る

今、立ち会っているものも
あの日の後悔も
あの人の優しさも
これからの夢も

私が何度も解釈をする



何度も間違えて
ここにきた
ああ 運命なんて
言葉ではぐらかさないで

お前はここにいるしかないんだよ
まだ解けてない問題が
私の脚を縛りつけている

だって僕は病気で
怪物にならないためには
寝たくなくても
眠らなくてはいけないんだ

ここは現実
お前は夢ばかり見て
手当たり次第に語って
だから気持ち悪いって
思われてんだよ

それでいい
それでいい?

僕が探してるのは
君だけ
どれだけ奇妙な言葉で
歌っても
嫌わないでくれる人
涙をはじめて
見つけてくれる人

でもだめだよ
偽らなければ
私はまた
閉じ込められて
全身拘束
副作用が
寄生虫みたいに
悪夢ばかり見させられて
殺してほしくなってしまうから

どうせ最初から決まってた
私はほんとは
ここにいてはいけない人間

だけどここには彼女も彼も犬たちもいるから
断ち切るなんてありえない

だから
ひとりでこうして
心の中で歌ってるんだ
下手な踊りで
脈を打つんだ

大丈夫?
これは病気が見せてる
大きな嘘なんじゃないか

わからないよ
そんなの僕にはわからない
そうだよ
奇妙なのは
ぜんぶぜんぶ
奇妙で
不思議ばかりだよ

ほら早く寝なくちゃ
明日も家族に
笑っておはようって
言えるように

もう誰も傷つけたくないんだ

でも私は
私のままでいたいんだ



夜もふけて
こんな時間に、と少しためらいながらも
湯を沸かし 豆を挽く
静かな夜が
いっそう深まってゆく

台所の窓を開け
夜のひんやりとした空気を味わう
たった今できあがった珈琲の
一口めを口に運ぶ
なんと贅沢な時間だろう

手間のかかることは美しく
揺らぐものは愛おしい

書斎に戻り 筆をとる
ここには私の時間がある



うまく言葉があてはめられない
書きたいひかりが見つからない

詩とはなにかなんて
ほんとうになんでもないこと
私のこころはここにしかない

数えなくていい
光らせなくていい
ただこころの深くにあるものを
そうっと拾う

私のなかにあるものは
ぜんぶ意味だ


明日仕事、行きたくないな
泣きそうになる
私の涙を
ぜんぶ見ているのは 私



透きとおるような気持ちでいられる時間は
いつの間に閉じてしまって かなしい
私はもう
くだらないものになってしまった気分
思うような自分でいたいと焦っても
つかまえることはできない
きれいなだけが私ではないと
心落ち着けて
待つことを覚えたい
つまらない1秒も
私の人生に必要なものだと
どっしり構えることが大事なのだ



光がさす
風の中を歩く
そのやわらかさを纏って
身体をもつことの
喜びを思う

急に世界が広くなった気がした
この街のことを
私は何も知らなかった

もしかしたら
世界に魔法なんてなくて
あまりに美しい現実を
知らないだけなのかもしれない

この星を前にして
何もかも無力になる
とてつもない救い
きっと過去も未来も
今もずっと変わらずあるものだろう

私たちはただ歩こう
生きることも死ぬことも
ただそこにあるものとして
歩いていよう
そしてふと眼差しに気づいて
ただ立ち尽くそう



昼間の光は明るすぎて
落ち着けない
私はまた夜と親しくなってしまったみたいだ

拙い言葉を並べては
昨日と同じ今日に
虚しさを覚える

似ていると嬉しくて
味方を見つけたつもりで
私は何も持っていなくて
そりゃあ滑稽に映るだろうな

それでも生きているのは
紛れもない私で
きっとこれからも
私のまま生きていくだけ

優れることは難しくても
せめて優しく在りたいな
優れるよりも難しいかな

遠く静かに光る灯台
微かに でも確かに
見えているから
私はここで私になろう



きっとまた裁かれる
間違ってる? ああ そうだよ
僕は間違ってる
でもそれは君も同じだろ?

世界は僕を許さない
僕は 僕が許す
世界を 君を 僕が許すよ

全部僕の中にある
深く暗い海の底
大丈夫 ここは静かだ
僕がいる それだけだ



忙しない 混沌
溢れ返った言葉の中を
ぼくは泳ぎきれるだろうか

はやくて便利な世の中で
のんびりするには勇気がいるね
果てなんてない だからいいんだ

ぼんやり浮かんで 歌でも歌おう
飽きたらきみとおしゃべりしよう

ぼくたちもっとゆっくりいこう